映画「君の名は」で、物語の設定のモデルじゃないか?関わりがあるんじゃないか?と考察の話題に上っていた瀬織津姫(せおりつひめ)という神様をご存知でしょうか。その神様を祀った神社が金沢にもあるのです。
この瀬織津姫は、罪穢れの祓いや、川や瀧などの水の神とされています。
ですので、全国の河川のそばだったり、海とまじわる水の勢いなどが強い河口付近(石川県では大野湊神社などにも)で、その難から守ってくれる神様として、お祀りされていることが多いようです。
瀬織津姫の名前がそのまま神社名になっている
瀬織津姫神社の創立年月は不明で、明治に入ってから調査された調査神社書でようやく村社として記載があります。
神社にある由緒書きには、犀川そばの「みやだ」という地区にもともとあったもので、昔からの川濯信仰が見られる、とのことでした。(手取川のそばにある白山さんの境外社にも河濯尊が祀られています)
瀬織津姫という神様は、「古事記」にも「日本書紀」にも登場せず、イザナギノミコトが黄泉の国から戻る時に禊を受けた部分を表す大祓詞の中に登場するということで、
イザナギとイザナミの仲を取り持つ場面でしか登場しない白山さんの主祭神であるククリヒメ同様、記紀に記載が少なく謎が多い女神と言われています。このふたりの女神を同一視する説もあるそうです。
謎は多いのですが、太陽神天照大神の荒ぶる面を司る荒魂としてだったり、つるぎの金劔宮の主祭神でもあるニニギノミコトの東征の際のお供としてだったり、蝦夷を討伐するための軍神としても祀られていたり、全国各地で親しまれ崇敬されていることがわかります。
しかし、その名そのままを社号にしている神社はあまりなく、瀬織津姫の名のためにこの神社をお詣りする方もいらっしゃるようです。
たまたまですが、私がお詣りした後、今っぽい若いカップルが二人で手を合わせていたので、知ってる人は知ってる、みたいな感じなのでしょうか。どうでしょうか。
罪穢れを流す川の力を表す女神
大祓詞で、瀬織津姫は罪穢れを最初に川に流すという役目を担っています。
罪穢れは、川から海へと流されて、海の深くへ沈み、その下にある根の国へと運ばれ、どこかへ消えて行くんだそうです。
生きていれば、日々間違いを犯して、ちょっとした後悔や不安、やりきれないことなどが日常茶飯事じゃないかと思いますが、その気持ちを持ったままでいると、魂が曇っていって、余計に間違った判断をしてしまいそうになります。
それを毎日リセットするのは良質な睡眠だと思うのですが、よく眠れていたらいいけれど、見えないところで蓄積されているものがあったりすると、何となく寝付きがわるいとか、寝ても疲れがとれないっていうこともよくある気がします。
それをどうするか、ストレス解消法は人それぞれですが、神社にお詣りするという方法もありますよね。
その神社にどんな神様が祀られていて、どんなご利益があるのか、知ってみるとそんな感じがしてくるのが人間の脳なので、この性質を利用してみるのはどうでしょうか。
罪穢れを祓ってくれる神様で、謎の多い神秘的な女神に、魂を洗ってもらうような気分で、この神社の長い階段を登るのが良さそうだと思いました。
長い階段と、椿の植樹と、狛犬
神社の拝殿へ行くまでに清めるポイントはちゃんと準備されています。
まず鳥居をくぐると神社の空気に守られた空間に入ります。
手水舎で外から持ち込んだ汚れを流します。
階段もそうです。一段一段、神様に近づくために穢れを落としていきます。
拝殿の前に立つと、清々しい風が吹いて来る場所なので
罪穢れを吹き流してくれそうです。
そしてここの狛犬の口の中は赤いです。
赤い椿と、赤いのぼりを見ていると、瀬織津姫のイメージカラーは赤なのかなと思いました。
ちなみに、赤い椿の花言葉は「控えめな優しさ」「謙虚な美徳」だそうです。
何か関係があるような無いような、そんな感じですが、良さそうな考えはもらっておきましょう。
瀬織津姫神社のご神気を雰囲気だけでもお届けできたらいいなと思います。
はじめまして。
時勢もからみ、なかなかお伺いすることが出来ずにおりましたが、バーチャルで参拝させていただきご神気も頂戴いたしました。
ありがとうございます。