金沢有数の観光地「東山」。メインの茶屋街には毎日たくさんの人達が行き来していますが、一つ、二つ路地を通り抜けると同じ東山とは思えない静かな時間が流れています。
今回はそんな静かな時間を優雅に楽しめる「豆月」をご紹介いたします。
メインの通りからは少し離れた静かな場所
まず豆月への行き方ですが、ひがし茶屋街方面から向かうと少し歩きます。大通りを歩いて東山の交差点についたら右に曲がります。曲がった先はすでに細い路地です。
路地進んで2本目の十字路を左に曲がります。
静かな住宅街をまっすぐ進むと控えめな看板が見えます。
看板がなかったら個人のお宅かなと思うような外観です。
築80年の金澤町家を再生したカフェ
そっと玄関を入っていくと奥へとつづく飛び石が。
右手には前庭と蹲。よく見るとにじり口まであり、なんと建物の中に茶室があります。
一畳台目の茶室はイベントなどで使用していますが、ご興味のある方は申し出れば中を見せていただくことは可能です。
実は豆月の店主、北出美由紀さんのご主人は1級建築士。豆月はご主人の手によって築80年の金澤町家を改修してできたカフェです。
店内には履物を脱いで入ります。
障子に手をかけると気配を察した北出さんが優しい声で「ようこそ、どうぞお入りください」と声をかけてくれます。
お部屋の中には御簾がかけられています。訪れたのはまだ夏の暑さの残る日。御簾で仕切られた空間が涼しさを感じさせてくれます。
お店の奥には坪庭。この坪庭のおかげで風が流れ、柔らかな光が室内を照らし、空間に四季のいろどりを添えてくれます。
そんな素敵なカフェでいただけるのがお豆をふんだんに使った品々。
本日注文したのがこちら。
週変わりの豆スープ 税込800円
この日は「ナスとレンズ豆のスープ えだ豆添え」
スープの上に可愛いバゲット。
「焼きナスや田楽をイメージしてパンをこんがり焼いてのせ、煮詰めた味噌をのせてあります」とのこと。
添えられているパンはその日のスープに合わせてお気に入りのパン屋さんから仕入れています。
ナスのスープはとろりと甘くてしっかりした味。甘みはナスと玉ねぎの甘みのみ。レンズ豆がコクをプラスしてくれるそう。
添えられた枝豆が青々として食欲が増します。
そっと添えられているデラウエアの甘煮も絶品です。
ドリンクは一緒に頼むと50円引きになります。
今回は「自家製青梅のスカッシュ」税込500円をお願いしました。
地元石川県のガラス作家、有永浩太さんのグラスに揺れる一粒の青梅が涼しげです。
豆月といえばの定番メニュー「黒豆かん」
豆月といえばやはり「黒豆かん」税込600円(お持ち帰り可)
自家製の寒天に黒豆の炊いたものが入ったとてもシンプルなスイーツですが、この黒豆かんには他とは違う秘密がたくさん。
まず、黒豆というと普通は甘ーくて舌でつぶれるくらい柔らかくて・・・と思った方。豆月さんの黒豆は他とは全く違います。
お豆は柔らかいけど噛み応えがあります。甘さも豆本来の旨みが感じられる甘さ。噛めば噛むほど滋味深い味わいが広がります。
このお豆の加減は、北出さんが子供のころ育った北海道で一緒に暮らした祖母が作ってくれた豆煮を再現したものだそう。
かけられている蜜。通常なら黒蜜ですが豆月の蜜は、豆を炊いた煮汁をさらにゆっくり煮詰めたもの。よくある豆かんは赤エンドウ豆なので黒蜜でもあいますが、黒豆だと黒蜜に味が持っていかれてしまい豆の風味を感じられなくなるそう。黒豆の煮汁を使うことで豆の風味も活かされ、蜜の最後の一滴まで楽しめる美味しい豆かんに仕上がっています。
一緒についてくるきな粉(黒豆のきな粉)と黒豆かんの相性も抜群。味変も楽しめます。
豆月は、豆をテーマとしたカフェということでシフォンケーキも生地には、お豆腐(大豆からできているので)を使っています。
豆腐シフォン黒豆入り税込450円。(お持ち帰り可)
こちらのシフォンはしっとりでふわっとした食感。蒸しパンのような素朴で懐かしい感じもあり、とても上品な味わいです。
昔ながらの暮らしを探し求めて金沢へ
北出さんが金沢に来たのは4年前。「昔ながらの暮らしがしたい」という想いもあり、神奈川県大磯町から移住を決意。実際20件ほどの物件をみたそうですが、「この町家に来た時、なんとなく家が迎え入れてくれるような感覚があった」とのこと。知り合いなどもいないところからスタートした金沢生活でしたが、今ではすっかり溶け込み、4組の夫婦が集まって場所と亭主を変えて開催する茶会「月ノ樂釡」(つきのがくふ)の主宰者に名を連ねています。これは流派を超えて、だれでも気楽にお茶を楽しめる環境を作りたいとはじめた試み。
毎月どこかで釡をかけています。ご興味のある方は是非、お問い合わせください。
豆月の営業日、営業時間
営業日は金曜日~火曜日。営業時間は11時~18時まで。臨時休業はブログ、Instagram、Facebook、Twitterでお知らせしています。
「洗練された空間」で「ゆったりとした自分時間を楽しめる」豆月。是非一度訪れてみてください。
豆月の口コミ
ひがし茶屋町の外れで冷やしぜんざい(自家製とうふアイスクリーム添え)と黒豆かん。豆好きにはたまらないメニューが並んでいました。町家をきれいに直して作られたお店。今回の金沢では、素敵な古い建物をたくさん見たなあ…! 豆月@金沢・ひがし茶屋町 #喫茶魂2019 pic.twitter.com/g0eXJ9YKob
— uehrakiko (@uehra) August 24, 2019
豆月の店舗情報
店名 | 豆月(まめづき) |
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ジャンル | カフェ |
TEL・予約 | 076-256-0465 |
https://twitter.com/mi_kitade?lang=ja / |
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https://www.facebook.com/mamezuki/ | |
https://www.instagram.com/mamezuki_kanazawa/ |
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住所 | 石川県金沢市東山2-3-21 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 水木、臨時休業あり。 |
カード | 現金のみ |
※掲載情報は記事公開時点での内容です。時間の経過により実際と異なる場合がありますので、詳細は直接店舗にお問い合わせください。
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