1550本のソメイヨシノが植えられた河北潟干拓地沿いの街道です。干拓が完成した1985年(今から35年前)に、2町2市による植樹が始まりました。

河北潟 桜並木
全長おおよそ9kmほどにもなる桜の街道です。
内灘町・津幡町・金沢市・かほく市にまたがる並木
その年によってずいぶん桜の表情は変わりますが、満開はちょっと過ぎたかな、という4月初旬の様子です。
9kmもあるので、場所によっても咲き具合が微妙に違います。
この時は、内灘町のほうから入って、かほく市のあたりで折り返して、18kmくらいを走ったということかと思います。
車から降りて写真を撮ったりしながら40分以上楽しみました。
桜の下を走るサイクリストや、私たちと同じように往復する車を見たので、桜を堪能できる季節のドライブスポットなのでしょう。
千里浜のドライブウェイは8kmあるので、それより少し長いですね。
そして河北潟の干拓地と言えば、一瞬ここは北海道か?と思うほどの、ひろびろとした牧草地の風景です。
緑に目が癒されます。
以前、河北潟の酪農家の方にお話を聞いたことがあり、その方が酪農に適した北海道のような牧草地、という形容をされていました。
当時はその表現にピンと来ませんでしたが、じっくり桜街道を走っていると、ひろーい!ながーい!と無邪気に感じたのでこれが北海道感なのかと思います。
ホリ牧場などもありますし、県内でいちばん酪農が盛んな地域です。
河北潟の乳製品、美味しいですよね。
桜の街道を折り返すと、干拓地側に、行きには気づかなかったまっすぐに生えそろった背の高い樹を見ました。樹木の壁のようです。
帰宅して調べると、それは冬ソナ道などと言われているメタセコイアの並木だとわかったので、冬はぜひそちらにも足を運んでみたいです。
そして、内灘のほうに戻ってくると、大きな吊り橋状の、うちなだ大橋「サンセットブリッジ内灘」が見えてきます。
この道の先にちょこっとある橋の支柱が見えますでしょうか。
あえて下から見ることはあまりないのですが、かっこいい橋です。
内灘砂丘をつなぐ斜張橋
大きく捉えると吊り橋の一種なのだそうですが、これは斜張橋という種類だそうです。
支柱から斜めに張ったワイヤーで支られている形状が美しいです。
河北潟に飛来する白鳥と、金沢の雪吊りがイメージされたデザインなのだそうです。2001年に開通しました。
この橋は、干拓事業で造られた放水路にかかっています。
道の駅から見た、放水路と水門。のと里山街道と公園の風車も見えます。
最も河北潟側にかかる内灘橋は8号線。
現在は淡水湖となっていますが、もともと海水と淡水の混ざる汽水域だった河北潟は、内灘砂丘に堰き止められて出来た大きな湖沼で、その干拓と埋立の工事は20年もかかった大掛かりなものでした。
江戸時代から、度々水田にするための干拓が試みられているほど、この地域の人々にとっての希望であったようです。
加賀藩5代目の前田綱紀公が干拓をしようとした史実が残っており、その頃から数えると300年ほども願い続け成し遂げた河北潟の農地化、ということになるでしょうか。

左側湖畔に桜並木が見える風景です。
そんな河北潟の歴史を思いつつ、長い桜並木や現代的な形の橋を眺めると、技術の叡智と発展を感じるし、なんだか感慨深いものがあります。
当時の人が河北潟にどう生きていたか、農地化は思い描いたようなものになったのか、景色や生態系の変化はどうか、調べていると面白いです。
橋から眺めることができる山々
道の駅内灘サンセットパークにこのようなものがありました。
ここから見える山の名がしるされています。
つまり内灘砂丘の上から、河北潟と山々の風景が見渡せるということですね。
案内図によると、正面右よりに見えるはずの立山連峰。雲に隠れていますね。
その左手側、橋の向こうに見えるのが、宝達山。
正面右手側、見えにくいですが、奥に白山があります。
空気の綺麗な冬場などや、天気の良い日にはもっとよく見えるでしょう。
ぜひ橋と海と一緒に、山側も眺めてみてください。
私の考えですが、どこの道を走っていても、何かしらの山が見えるのを金沢のチャームポイントのひとつとして挙げたいと思っています。だから山を憶えると金沢に住まうのはもっと楽しいかもしれないと。
だけどやっぱり海の眺めも最高です。
というわけで最後に内灘海岸にちらっと寄ってドライブコース終了。
なかなか外出できない時ですが、雰囲気だけでも楽しんでいただけたらと思います。
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