金沢城出入口のひとつに、「黒門口」というのがありますが、実際にわかりやすく黒い門がどんと構えられているわけではありません。
黒門口の大手堀
黒門口は前田家が入城する以前に大手口とされていた場所で、そのころは立派な門があったのかもしれませんが、現在はお堀がその名残として残されているかぎりです。
大手堀は、埋め立てられることなくその時代からの景観をそのまま残しているお堀だそうです。
ベンチがあって、日向ぼっこにちょうどいいです。
そこに座るとちょうど見えるのが黒門前緑地の彼岸桜です。
コシノヒガンザクラ
ソメイヨシノより、やや早咲きなので3月下旬に見頃を迎えます。
黒門前緑地には2本の大きなヒガンザクラが植えられており、まだ花の気配の少ないこの時期に、ひときわ目を引きました。
漢字で書くと「越の彼岸」の桜です。
エドヒガン(江戸彼岸)ザクラの変種とされていて、北陸地方に生育し、富山県の天然記念物にもなっている桜なのだそうです。
この桜を近くで見るため、黒門前緑地に入ってみました。
黒門前緑地
もともとは、豪姫さまが金沢に帰って余生をすごした場所だそうです。
それから時を経て、金沢地方検察庁検事正官舎の敷地として利用されていました。
その建物の一部を保存しつつ、高峰譲吉ゆかりの家屋を移築し公園に整備されたのが黒門前緑地です。
黒門が金沢城入口に見当たらないので、ここが黒門の家なのだと思い違いしていましたが、違うようです。
建物は自由に出入りできるようなので、中を見てみることにしました。
この場所を管理されている方から、少しお話しが聞けました。
最近はさすがにここに来る人は減ってることや、ヒガンザクラの後に咲くソメイヨシノの花の色のことなど、少しですが、お話ししてみるといい場所に来たなあと特に思えます。
旧検事正官舎の応接室の窓から、ちょうどヒガンザクラが見えることを教えていただきました。
管理の方が言うには「ちょうど今日は満開じゃないかな」とのことで
「鳥がせっせと花を落とす遊びをしているから、木の下に落とされた桜の花をわざと掃除せず、そのままにしてある、そうしとくと写真を撮る人が喜ぶだろうから、」とおっしゃっていました。
本当に鳥が可愛らしく飛び回り、花を散らしているのを見ていると、一瞬時間を忘れ、
今世の中はいろいろ大変だけど、この瞬間は何にも変えがたい平和だなあと非常にピースフルな気持ちになりました。
旧高峰譲吉邸のほうは、普段はお茶会や句会、読書会などで貸し出しされているようです。
金沢で育ちながら、この場所を知らずにいましたが、
今になって観光地として整備や昔のものの保存などを通して、美しい場所として、たくさんの人に支えられているのを知ると、そういう場所は見ておきたいとつよく思います。
外出を控えている方に、この風景が届くといいなと思います。
情報公開するなら写真の基礎知識ぐらい勉強しては。構図はめちゃくちゃ、逆光でフレアーだらけの写真を恥ずかしげもなく公開する神経が理解出来ない。