金沢の老舗蔵元「福光屋」から新しいお酒が生まれました。その名も「金沢美人」。
金沢固有の銘柄米として1988年から僅かに栽培が続けられてきた特別栽培米コシヒカリで作られたお酒です。今回はこの新しいお酒のお披露目会の様子をお届けします。
金沢固有の銘柄米「金沢美人」が生まれるまで
JA金沢中央で僅かに栽培が続けられる特別栽培米コシヒカリ「金沢美人」。特別栽培米とは化学合成農薬の使用成分数50%以下、化学肥料の使用量50%以下で栽培したお米。金沢美人は霊峰白山の滋養に富んだ清冽な伏流水と、稲穂の露を乾かしお米の香りと旨味を育む日本海からの潮風、犀川の河口付近に位置し藩政時代から米の優良栽培地として知られる金沢市普正寺地区を中心とした豊かな土壌、そして当時としては全国的にも珍しい有機質肥料、減農薬という栽培法に賛同した18名の生産者の熱意により栽培が開始されたそうです。
金沢美人存続の危機
初年度36tだった収穫量もその後の米の消費や米価の低迷、生産者の高齢化などで2017年には16tまで減少。生産者は僅かに3名にまで激減していました。JA金沢中央が現状を打破すべくコラボを持ち掛けたのが老舗蔵元福光屋でした。福光屋は偶然にも同じ「金沢美人」という商標を酒類の区分で登録していたのです。
とはいえ特別栽培米コシヒカリ「金沢美人」はうるち米。通常お酒は山田錦などの酒米で作ります。福光屋 壽蔵杜氏板谷さんは当初は金沢美人で本当にお酒をつくることができるだろうか?と悩んだそうですが、福光屋に代々伝わる酒作りの技術を紐解きながら試作を重ね、極甘口の純米吟醸酒「金沢美人」が誕生しました。
「金沢美人 純米吟醸あまくち」満を持して、いざお披露目会
多くの生産者、関係者が集まってのお披露目会ははしいのき迎賓館内にある「ジャルダン ポール・ボキューズ」で行われ、「金沢美人」に合う特別な料理が用意されました。
特別栽培米コシヒカリ「金沢美人」と、極甘口の純米吟醸酒「金沢美人」が並んでいます。
パッケージデザインは金沢に縁の深い詩人画家「竹久夢二」が描いた夢二式美人画を使用。夢二の描く美人画の控えめな艶やかさと愛嬌、たおやかさに味わいを重ねています。
「金沢美人」は和洋問わず甘みのあるいろいろな料理にあうそうで、フルーツに合わせるのもおすすめだそう。
関係者による鏡開き
福光屋 壽蔵杜氏 板谷氏からの「金沢美人」誕生秘話。
ターゲットは女性ということで結成されたプロジェクトチーム。「金沢美人」には女性ならではの発想がたくさん生かされています。
金沢美人そのお味は?
まず香り。
とても華やで濃密な香り。お味は「極甘口」との謳い文句のとおり、しっかりとした甘みが口の中で広がります。「米飴のような濃厚な香りと甘味」とパンフレットには記載されていますが、濃厚なリキュールのような、福光屋の人気商品「福みりん」にも通じる旨みを感じました。
おススメの楽しみ方
冷酒、常温、ぬる燗まで幅広い温度帯で楽しめます。
乾杯酒やデザート酒として、そのままストレートでいただくのはもちろん、密かなおすすめが炭酸水で割る飲み方。
シャンパンのようにはじけて飲みやすくなり、女性うけもよさそう。華やかなお席にもぴったりです。
気になる価格は、500ml(化粧箱入)1,500円(税抜き)。アルコール度数13度。全国の酒販店、百貨店、スーパー、福光屋のオンラインショップで購入可能です。
秋の夜長、金沢を感じるお酒をじっくり味わってみませんか?
※掲載情報は記事公開時点での内容です。時間の経過により実際と異なる場合がありますので詳細は直接店舗にお問い合わせください
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