LINE戦略から学ぶ「生活リハビリテーション」の在り方

こんにちは。コメディ編集部です。医療・介護の記事を書かせていただいております!

先日、LINEの広告戦略の記事をみていて「生活リハビリテーション」に応用できる考え方が載っていたのでシェアの意味も込めて書きます。
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飛ぶ鳥を落とす勢いの「LINE」の執行役員田端さんがある記事で以下のようなことを言っていました。

もうすぐバレンタインデーですが、例えば若い男女がはじめてデートに行きました。

楽しく横浜でデートします。品川まで帰ってきました。そこで家が違う方面なので電車が別れます。

今日楽しかったねーっていう形で、会話をLINEとかでするわけです。

お互いですね、付き合おうかな、良いふうだなと男が思っている。

脈がありそうかなと。そんな状況で、ロッテのコアラのマーチのラブっていうスタンプが女性から男性に送られてきたとしましょう。その男性の気持ちを皆さん想像してください。

これはある意味ですね、今このスポンサード(広告)スタンプって、ある程度の価格を頂いている枠なんです。ロッテさんが出している。

ここに広告代理店さんのマージンの何%だとかですね、誰部長の決済だとか、いろんな大人の力学がうごめいているわけなんですけれども。

ただ皆さん待ってください。そんな大人の力学が込められてるかもしれないですが、そこで若い男女が良いムードになってLINEとかで会話して、これが送られてきた瞬間を想像してください。

これ広告枠ですよ?

皆さんも、ポータルサイトのトップページにポップアップしてくる広告を見たことがあると思います。

あるいはYouTube。僕YouTube大好きなんですけれども、YouTubeで急に5秒広告が差し込まれたり、30秒無理やり見せつけられる広告とかもあると思います。

どうですか。正直うざいなと思うじゃないですか。

これ(ロッテのコアラのマーチのラブっているスタンプ)もいきなりぴゅっと出てきたら、うざいなと。

LINE空気読めよと。

今良い感じに話してたのにうぜえ広告入れやがってとなると思います。

でも、会話の中ならどうですか?まず思われない自信があります。

なぜか。

これを送っているのはLINE株式会社が勝手に送っているわけでも、ロッテさんが勝手に送っているわけでも、広告代理店さんが勝手に送っているわけでもなくて、その自分が今、良いかなと思っている女性がある気持ちを込めて送ってきているわけなんですね。

つまり、LINEの広告モデルのスタンプというのは、広告枠にありながら、コミュニケーションと広告が渾然一体になって融合しているわけです。

いまや嫌いな子どもにですね、ニンジン食べなさい、栄養あるから食べなさいとそのまま言ったって食べないじゃないですか。

それをフードプロセッサーにかけて、ミンチ肉とすり合わせてハンバーグにして食べさせるような形で、広告を広告だとそのまま出したところで無視されちゃうんですね。

だから広告とコミュニケーションを渾然一体にしないといけないんです。

そういった結果何がもたらされるかと言いますと、もちろんLINEのスタンプも無視することはできます。

ただLINEの中でスタンプを無視することは、広告モデルと言えども、友だちを無視することになるんですよ。

(引用:友だちからのスタンプを、無視できますか? LINE・田端信太郎氏、広告コミュニケーションの真髄を語る)

この文面を見て、シビれました。

いまさらながら、LINEの何にシビれたのか?

なんとなくわかってはいたんですが、かなり上記の引用文は説得力のある言葉で腑に落ちました。

つまりですね、何がいいたいかというと、

今までの「広告の価値観」を破壊して現代に合わせているんですよね。

具体的に言うと、

今までは広告は「広告枠」があって、そこに埋め込まれる形でしたよね。

googleやyoutubeの広告は進化したといっても「アクセス分析からユーザーの興味がありそうな広告」を出しているに過ぎません。

「枠」は変わってなかったわけです。

でも、LINEはスポンサード(広告)をスタンプという代替物に落としこむだけでなく、広告をコミュニケーションツールにしちゃったわけです。

これ、広告を少しでもかじって勉強した人ならわかりますが、かなり画期的です。

広告って露出してナンボみたいなことがあります。

いかにクリックしてもらうか試行錯誤をしていたわけですよね。

でも、自然な流れでコミュニケーションの中に入っていたらその必要はありませんし、生理的な不快感もないんで落とし込まれやすいと思うんです。

話はちょっとそれますが、、、、

生理的な不快感が生じないようにする

今、「生理的な不快感」と言いましたが、これもかなり大事だと最近感じています。

どれだけ広告戦略が秀逸で、テクノロジーが進化しても「生理的不快感」が生じるモノは流行らないな~って思います。

めちゃくちゃキレイな女性をみても「生理的に受けつけない」と直感的に感じたら全く興味がなくなるのと似ていると思います。

それに関しては、一時話題になったgoogleグラスが撤退をしましたがあれもそうですよね。
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                         (出典:wikipedia)

多くの人が生理的に違和感を感じるものはなかなか流行らない。

だから、これからのテクノロジーの進化は技術的にどうこうじゃなくて、感覚的にアリかナシかが大きな鍵だと思うんです。

それでいくと、自動走行車、ロケット、介護ロボット、ドローンはありで、目や身体にチップを埋め込む、遺伝子情報を元に子供を体外受精で作るってのは僕の中ではナシです。

なんか、 こういった感覚的なものがより重要になる気がします。

話が逸れました…….笑

つまり、LINEの広告は不快感なくコミュニケーションの中で自然に提示されるから露出度以上に浸透率が高い(刷り込まれやすい)気がするんですよね。

脳科学的にいうとサブリミナル効果が発揮されやすいというか。

これが、「生活リハビリテーション」の中でも重要なヒントになると思うんです。

生活リハビリテーションへの応用

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つまりですね、生活リハ、生活リハ言ってる昨今ですが、極端に言えば回復期病院リハ9単位(3時間)やって、21時間フリーなわけです。

ベッド代は1日3万とかです。

どう考えても費用対効果が薄いわけです。

地域においてもそうです。

訪問リハやって1時間、デイにいって3時間。

……..それ以外はどうするのかって話です。

もちろん休憩も必要ですし、制度上の話もわかりますが、

そうではなくて、もっと生活の中に落としこんだり、セルフメディケーションができないといけないんですよね(医療依存度が高い人は別の話)。

例えば、以前見た論文には日常生活の中で活動量を見た時に、普段の自宅生活では、21時は結構活動量が増えるというデータがでていて、

シームレスな退院へ繋げるためには「夜リハ」が必要ってことで、夜リハビリ室に来てみんなで団欒をする環境をつくったりしていました。

つまり、同じ9単位でも、どう単位を生活の中に落としこむのかで全然違いますし、

そのあたりをもっと考える必要がある気がするんですよね。

リハビリテーションを生活に”刷り込む”的な発想。

さっきの引用文で言えば、

『LINEの広告モデルのスタンプというのは、広告枠にありながら、コミュニケーションと広告が渾然一体になって融合しているわけです。』

コミュニケーション×広告

リハビリテーション×生活

こんなイメージ。

で、もっと大事なのは「渾然一体」という考え。

引用文で言えば、

『いまや嫌いな子どもにですね、ニンジン食べなさい、栄養あるから食べなさいとそのまま言ったって食べないじゃないですか。それをフードプロセッサーにかけて、ミンチ肉とすり合わせてハンバーグにして食べさせるような形で、広告を広告だとそのまま出したところで無視されちゃうんですね。だから広告とコミュニケーションを渾然一体にしないといけないんです。』

ココですね。

つまりですね、リハビリテーションを「リハビリテーションの時間」にしちゃだめだと思うんですよ。

これじゃ、いつまでたっても「特別枠」になる。

よほど意識が高くないと空いた時間に自主トレやらないし、家に帰ればやらないのは当然のコト。

ここを丁寧に丁寧に整理して「生活とリハビリテーション」を渾然一体にしないといけませんね。

これ、できているようでまだまだ全然できてないですからね。

おわりに

だからリハビリテーションの発想としても「コンテンツ」じゃなく「コンテクスト」が大事な時代だと思います、確実に。

時代的に文脈だったり、繋ぎだったりが絶対に求められます。

それが、生理的に受け入れられ、渾然一体として表現する上で求められている気がします。

病院・地域問わずリハビリテーションの可能性を学べた気がしたLINE戦略記事でした。

引用記事

友だちからのスタンプを、無視できますか? LINE・田端信太郎氏、広告コミュニケーションの真髄を語る

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